コピー機少女 フェアリーC


こんにちは。リコンです。
2016年1月に「学校のコピー機の情報が丸見え」になっていると、大手メディアで派手に報道されたことを、覚えていらっしゃいますか?
見出しだけでニュースを流し読みをすると、まるでコピー機そのものに問題があるように捉えてしまいますね。
今回は、報道内容を確認しながら、コピー機のセキュリティについて、考えていきたいと思います。

登場人物紹介

リコン

リコーの中古コピー機から生まれた妖精。
何事もクールにスマートにこなしてしまう。
コピー機の知識は整備担当者並みに詳しく博識。

コニン・ミノン

コニカミノルタの中古コピー機から生まれた双子の妖精。 口下手。たまにしゃべるとちょっと辛口。黒がコニンで、白がミノン。立ち位置はいつも固定。

石田

リコーとコニカミノルタのコピー機の整備を担当するエンジニア。コピー機の整備歴は10年以上で、機械はもちろん業界事情にも詳しい。 撮影の仕事の経験があるため、中古コピー機の撮影技術は、ピカイチ!業界一の呼び声があるとかないとか…

コピー機の情報丸見え事案の核心と、今後のコピー機のセキュリティについて考えよう(前編)

情報が丸見え事案の問題点は2つ

サイバー攻撃による被害のニュースが後を絶たないですね~。

そうだね。今は大企業だけでなく、地方の中小企業も狙われるようになっているからね。
被害件数は年々増える一方だね。

イシダ、被害ってどんな内容なの…?

サイバーって聞くと…なんか滾るね…

(滾る…?)
そうだね。つい最近だとランサムウェアが有名だけど、分かりやすいものだと、インターネットバンキングを利用した不正送金被害とかかな。
ちょっと古いデータだけど、2013年の法人の不正送金の被害額が9,800万円だったのに、その1年後の2014年は10億8,800万円と約11倍にまで被害額が急増してしまっているんだよ。(警視庁データ)

お財布に収まらない額…

(サイバーネットキング…今、描いてるキャラ名に使えるかも…)

そういえばサイバー攻撃ではないですけど、2016年にコピー機の情報漏えい事案がありましたね。
確か…「複合機などデータ丸見え」といったニュースでしたっけ?

まっ丸見え…/////

あったねぇ!当時はメディアが大騒ぎしていたね。急遽リリースを出したコピー機メーカーもあったよ。
あの事案は、IPアドレスを打ち込むだけで、大学のコピー機(複合機)にアクセスできちゃったやつだよね。

そうです。コピー機(複合機)に保存されている色々なデータが、インターネット上で閲覧できてしまったようですね。

ファクス番号、メールアドレス、保存文書や画像、印刷文書の表題(ファイル名)……。記者のパソコンにIPアドレスを打ち込むと、宮崎大に設置された複合機やプリンターの内部データが次々と画面に表示された。大学の担当者にこの結果を伝えると、「えらいことになった」と表情をこわばらせた。

出典:利便性の陰で薄まる危機意識 複合機などデータ丸見え-朝日新聞デジタル

この件は、ニュースを流し読みしただけでも2つも問題点があることが分かるね。

遊戯王カードをコピーしちゃいけないってこと…?

同人誌は、会社で印刷しちゃダメってこと…?

う、うん…今回の件とは関係ないけど、それはやっちゃダメだね。
問題点の1つ目は「IPアドレスを打ち込むだけで複合機のデータにアクセスできること」、2つ目が「複合機に文章・画像データが保存されていること」だね。

では、石田さんに順を追って説明していただきましょう。

コピー機は、プライベートIPアドレスで設定しよう

イシダ、なんでインターネットで、コピー機の情報が見えちゃうの…?

(前から呼び捨てだったかなぁ…?)一つ目の問題点のことだね。
これは、「グローバルIPアドレス」を使って、コピー機と接続設定を行ってしまっていることが考えられるね。

グロゥーバァァァァァァルIPアドレス…!!ってなに…?

必殺技っぽく言わないで!
「グローバルIPアドレス」は、普段みんなが、インターネットを閲覧する時に使っているアドレスのことだよ。

なるほど!そういうことですか。
つまり、「グローバルIPアドレス」は、ウェブサイトのアドレスと変わらないから、IPアドレスが分かれば誰でもインターネットでコピー機にアクセスが可能ってことですね。

その通り!

その「グローバルIPアドレス」っていうのをコピー機に使っちゃいけないことは分かったけど、どうすればいいわけ…?

どうすればいいかというと、「プライベートIPアドレス」で接続設定することだね。
その設定を行えば、社内のネットワークに繋がっているパソコンや機器からしかコピー機にアクセスできないんだ。

大学の情報漏えいの事案は、まさに「グローバルIPアドレス」でコピー機の接続設定を行っていたことが大きな原因ですね。

裏グーグルで覗けるオフィスの情報

ところで、みんなは「SHODAN(ショダン)」という検索エンジン知ってる?通称「裏グーグル」とも言われているよ。

知ってます!
インターネットに繋がっている機器を簡単に、しかも地域を絞って検索できるんですよね。

うん、そう。
例えば、社内のセキュリティ対策として設置したウェブカメラの映像を、「SHODAN(ショダン)」経由で勝手に見るという…。ま、これは本来の使い方ではないんだけどね。

怖い…!!クビ宣告されそう…

闇が深い…

君たち、いったい業務中に何してるの…?

「本来の使い方ではない」とは?

「SHODAN(ショダン)」を使うと、インターネットに接続されている機器を検索できるよね。
その利点を活かして、自社の情報が閲覧できてしまっていないか、セキュリティチェックに使えるってこと。

なるほど。セキュリティの弱い機器や、機器の認証設定に不備がないか確認するわけですね。

今すぐチェックしよ…!

危険な芽は早めに摘むべき…!

情報漏えい事故は、人為的なミスが多いんだよ。
使い方を完全に理解できていなかったために、意図せずデータを公開してしまっていることが多い。
Iotが進んで、今は家電製品もインターネットに接続できるようになっているからね。
まだまだ情報漏えい事故は増えると思うよ。

コピー機を販売している務めとして、私たちは、セキュリティ対策の啓蒙を行わないといけないですね。

(うちのカメラは繋がってないみたい…)

(ほっ…)

コニンとミノンは、なにをこそこそやってるの?

次回は、コピー機の情報漏えい事案のもう一つの問題点に言及し、コピー機が備えているスゴイセキュリティ機能について紹介します。

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